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計算の工夫⑩(計算練習を楽しむ工夫)

こんにちは。算数教師のさいとうです。
8月になりました。
それにしても毎日暑い日が続いていますね!
皆さん、体調には十分ご注意ください。
 
ここまで計算の工夫についてお話してきました。
その一方で、特に工夫の余地がなく、普通に計算しないといけない計算もたくさん存在します。
そこで、計算スピードそのものを上げていくためにはどうすればいいか、という点にもふれておこうと思います。

いきなり結論ですが、計算スピードを上げるためには「慣れるまでくり返し練習をする」しかありません。
計算練習をせずに、計算スピードが上がるはずがありませんからね。
この答えはおそらく皆さんの予想通りだと思います。

ただ「慣れるまで」というのがポイントです。
例えば「2けた-2けた」の筆算がもう十分できている子に「2けた-2けたの計算を1日100問課す」というのは、効果的な勉強のさせ方ではありません。
ある程度できるようになるまでは徹底的に練習させる必要があります。
そして慣れてきたら、練習量は減らしても構いません。


ただ、困ったことに計算練習を進んでやりたがる子はいないですよね。
「計算=単純作業」ですから、やりたがらない気持ちは良く分かります。
子どもたちも計算練習が必要なのは分かっていますのですが、とにかく単純作業はおもしろくないのです。

そこで、計算練習を楽しむ工夫について記しておきます。
テーマは「ゲーム感覚で楽しむ!」ことです。


楽しむ工夫①「時間を計る」
 
王道中の王道の工夫ですが、本当におすすめです。
同じプリントを何回かやらせる場合、だんだんタイムが上がっていくのが分かるので、子どもたちは喜んでやります。
時間を計った場合と計らない場合とでは、子どもたちの集中力は全然違います。

この方法のいいところは「過去の自分との勝負」であることです。
もともと早い子は、過去の自分を超えるためにがんばることができます。
もともと時間がかかる子も、過去の自分を超えるためにがんばることができます。



楽しむ工夫②「対戦する」

私は子どもと計算勝負をすることがあります。
基本全力です(笑) 「大人げない」と言われても気にしません!

「先生なんだから勝つのは当たり前でしょ」と言われますが、そんなことはありません。
本当に算数ができる子は、計算スピードが相当速いです。
過去に私を負かす受験生もいました(互角の勝負に持ち込まれました)
徹底的に鍛えさえすれば、現役バリバリの中学受験生の方が、計算スピードは速くなるのです。
それに対抗して、私はこれまで挙げてきたような「さまざまな工夫」を駆使して勝ちにいくのです。

実際、私に勝つために、家で特訓をしてくる子もいます。
勝負していく中で「計算の工夫の大事さ」に気づいた子がいました。
対戦によって、急激に計算が速くなった子も大勢いました。

この方法は「他人との勝負」なので「過去の自分との勝負」とは違った楽しみもあります。
意外と盛り上げるのでおすすめしたいのですが、勝ち負けを巡ってけんかになったり、落ち込んだりする子が出てくる可能性があるので、細心の注意が必要です。
子どもの性格をよくお考えの上、取り入れるかどうかを決めていただきたいと思います。


ふつうにやるとおもしろくない計算練習も、少し工夫をすれば楽しいゲームに早変わりです!


さいとう
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計算の工夫⑨(定着させるための問題集)

こんにちは。算数教師のさいとうです。
ここまで8回に渡って、計算の工夫を紹介してきました。
「なるほど!」とか「勉強になった!」と思っていただけたらうれしいです。

さて、計算の工夫の仕方が分かったからといって、すぐに定着するわけではありません。
実際に生徒を指導していると、習ったときに「なるほど!」と言っていても、1週間後に「45×98を地道に筆算している」なんてケースは多々あるのです。

よく言われることですが「分かること」と「できること」は違います。
せっかく計算の工夫を習っても、普段から使っていないとすぐに忘れてしまいます。
ですから、定着させるためには、とにかく「練習あるのみ!」です。

最後にチェック問題をのせますので、しっかり工夫して計算できるかどうか挑戦してみてください。
下の方に解答ものせています。
もし、工夫の方法を忘れてしまった場合は、復習が必要です。
解説の書いてあるページに飛べるようになっていますので、もう一度お読みください。
1週間ごとにこのページをおとずれて、問題を解けば、自然と定着するはずです!

練習あるのみ!がんばりましょう!


さいとう



【定着させるための問題集】※解答は下にあります。

問題1 次の計算を暗算でしなさい。

① 123+98-23


② 6-14+20

③ 8×18÷2

④ 6÷14×28

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫①」へ



問題2 次の計算を暗算でしなさい。

① 25×32


② 125×72

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫②」へ


問題3  次の計算を暗算でしなさい。

① 32×48+32×52

② 39×52+78×24

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫③」へ
 

問題4 「0.123×160+1.23×48+12.3×3.6」を計算しなさい。

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫④」へ


問題5 次の計算を暗算でしなさい。

① 45×98

② (7/18+5/12)×36

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫⑤」へ


問題6 次の計算を暗算でしなさい。

① 32×0.75

② 24×0.875

③ 30÷0.625

④ (0.65 + 1/4)×9

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫⑥」へ


問題7 次の計算を暗算でしなさい。


① 256+98

② 256-98

③ 9999+999+99+9

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫⑦」へ


問題8 301/387(387分の301)を「既約分数」にしなさい。
    「既約分数」とは、これ以上約分できない分数のことです。

※工夫の仕方を忘れたら「計算の工夫⑧」へ


【解答】
問題1 ①198   ②12   ③72   ④12
問題2 ①800   ②9000
問題3 ①3200 ②3900
問題4 123
問題5 ①4410 ②29
問題6 ①24 ②21 ③48 ④8.1
問題7 ①354   ②158     ③11106
問題8 7/9

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計算の工夫⑧(最大公約数の便利な見つけ方)

こんにちは。算数教師のさいとうです。
計算の工夫、今日は約分についてです。

問題 301/387(387分の301)を「既約分数」にしなさい。
※「既約分数」とは、これ以上約分できない分数のことです。

約分するためには、分子と分母を公約数で割っていく必要があります。
301と387の公約数を探してみましょう!(制限時間1分です!)

・・・・・・

・・・・・・

意外と見つからないですよね。
でも、約分の問題なので、必ず1以外の公約数があるはずです。

こんなときに便利

手順① 分子と分母の差を求める

387-301=86

手順② 手順①で求めた数の約数を求める

手順①で求めた数は86です。
86の約数は「1、2、43、86」の4つです。
この4つが分子と分母を割る公約数の候補になります。

手順③ 手順②で求めた数の中から、分子と分母の公約数を見つける

手順②で求めた数は「1、2、43、86」の4つです。
この中に分子と分母の公約数が必ずあります。
ここは実際に試してみるしかないですが、今回のケースはすぐに分かります。
301も387も奇数ですから偶数の2や86で割れないのは明らかですね。
したがって、43が探し求めていた数になります。

301÷43=7 ・・・こちらは割れました!
387÷43=9 ・・・こちらも割れました!

したがって、301/387を既約分数にすると7/9ということが分かります。
公約数が43だったことが、この問題の難しいところです。
43は素数(1と43でしか割れない数)のため、他の数では約分できないからです。

この方法、なかなか便利なので、ぜひ覚えておいてください。


【別解 ユークリッドの互除法】

最大公約数を求める方法には「ユークリッドの互除法」があります。
こちらも紹介しておきます。

問題 387と301の最大公約数を求めなさい。

以下のような手順で割り算をくり返し、あまりが出ずに割り切れたら終了です。
そのときの割る数(この場合は43)が最大公約数になります。


387÷301=1・・・86
301÷86=3・・・43
86÷43=2   ← あまりが出なくなったので終了!

よって、最大公約数は43

割り算が長くなる場合もありますが、必ず割り切れるときがきます。
確実に最大公約数が求められますが、分子と分母の数字が大きいと、計算に手間がかかるが難点です。



さいとう

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計算の工夫⑦(キリのいい数との差で考える)

こんにちは。算数教師のさいとうです。
今日は早速問題から入ります。

問題
Aさんは130円(100円玉1枚+10円玉3枚)、Bさんは100円(100円玉1枚)を持っています。
BさんからAさんに80円あげるためにはどうすればいいですか。
(ただし両替はできないものとします)


100円玉を1枚しか持っていないBさんが、どうやってAさんに80円あげるかという問題です。
皆さんもうお分かりですね。


解答
BさんはAさんに100円玉を1枚渡し、Aさんから10円玉を2枚もらう

Aさんの立場で考えてみます。
まずAさんは100円をもらいます。でも、実際もらうのは80円なので、20円もらいすぎです。だから、Bさんに20円を返してあげます。



では、これを踏まえて次の計算を工夫して解いてみましょう!
以下は6月16日のブログ内容をより分かりやすくまとめてみました。

① 256+98

② 256-98

③ 9999+999+99+9

さあ、解き方の工夫はひらめきましたか。


① 256+98

+98を「98円もらう」と考えてみましょう。
「98=100-2」であることを利用します。

256+100=356 ・・・まず100もらいました
356-2354   ・・・でも、もらいすぎなので2返しました


② 256-98

-98を「98円あげる」と考えてみましょう。
「98=100-2」であることを利用します。

256-100=156 ・・・まず100あげました
156+2158    ・・・でも、あげすぎなので2返してもらいました


③ 9999+999+99+9

「9999=10000-1」「999=1000-1」・・・
であることを利用します。

10000+1000+100+10=11110 ・・・まず10000と1000と100と10をもらいました。
11110-411106 ・・・でも、もらいすぎなので4返しました


①の問題は最後に-2、②は+2、③は-4をしていますが、慣れないとたし算、ひき算を逆にしてしまう場合があります。
ここで「もらう」「あげる」「返す」という言葉を使うのは、混乱してしまうのを防ぐための工夫です。
説明していることは同じなのですが、こうした言葉を使うとより親しみがもて、理解もしやすいようです。


さいとう

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計算の工夫⑥(小数⇔分数を利用して計算する)

こんにちは。算数教師のさいとうです。
計算の工夫6日目です。

小数⇒分数、分数⇒小数をスムーズにできると、計算が楽に出来るケースがあります。
以前ブログで紹介したものは以下の通りです。

これだけは覚えよう!
1/2=0.5  

      
1/4=0.25  
3/4=0.75  

1/5=0.2         1/8=0.125
2/5=0.4         3/8=0.375
3/5=0.6         5/8=0.625
4/5=0.8         7/8=0.875

では、これを踏まえて、話を進めます。


【小数を分数に直して計算する】

次の計算を暗算でやってみてください。

① 32×0.75

② 24×0.875

③ 30÷0.625

どの問題も小数のまま計算しようとするとけっこう大変です。
小数を分数に直すと、暗算でも計算できるようになります!


① 32×0.75

 32×0.75
=32×3/4 ・・・0.75を3/4に直しました
24

※3/4をかけるというのは「4でわって3をかける」のと一緒です。


② 24×0.875

 24×0.875
=24×7/8 ・・・0.875を7/8に直しました
21

※7/8をかけるというのは「8でわって7をかける」のと一緒です。


③ 30÷0.625

 30÷0.625
=30÷5/8 ・・・0.625を5/8に直しました
=30×8/5 ・・・分母と分子をひっくり返してかけます
48



【分数を小数に直して計算する】

では、こちらの問題はどうでしょうか。

問題 (0.65 + 1/4)×9

 (0.65 + 1/4)×9
=(0.65 +0.25)×9 ・・・1/4を0.25に直しました
=0.9×9
8.1


実際この計算を生徒にやらせると、80%以上の人が0.65を13/20に直して計算します。
0.65=13/20とスムーズに出てくればいいのですが「65/100にして、それを約分する」という子が多いです。約分ができたら、そのあと13/20+1/4をしないといけません。分母を20で通分して・・・とやっていくと、けっこう時間を使います。

もちろん0.65を13/20に直して計算してもいいのですが、ここでは1/4を小数に直して計算する方を選びました。計算手順を見ていただくと、分数にして計算するよりも楽にできそうですね。
これだったら暗算でできてしまう人もいます。


【まとめ】

計算の工夫としてよく利用されるのは「小数⇒分数」の方です。
しかし、(0.65 + 1/4)×9の計算のように、「分数⇒小数」を使った方が、計算がスムーズにいく場合もあることも知っておいていただきたいです。

とにかく「計算しやすい方」「速く計算できそうな方」を選ぶことが大切です。
それは、ミスを防ぐことにもつながります。


さいとう

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