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「習っていません」②

こんにちは。さいとう算数教室のさいとうです。
 
昨日紹介した「習っていません」①について、具体例を挙げて説明してみたいと思います。

以下は分配算という単元の問題です。
【問題1】と【問題2】をついて考えてみてください。

 
【問題1】
AとBの2つの整数があり、合計は50です。
AはBの3倍よりも2大きいです。
このときAとBはそれぞれいくつですか。

この問題は分配算の典型問題で「線分図」という図をかくとすぐに理解できます。
塾の授業を聞けば、誰でも解けるようになる問題です。
ちなみに答えはA=38、B=12です。


では次の問題はどうでしょうか。


【問題2】
AとBの2つの整数があり、合計は50です。
AをBでわると商が3であまりが2になります。
このときAとBはそれぞれいくつですか。

この問題を見た瞬間に「こういう問題は習っていません」と言う子は危険です。
なぜ危険なのかは昨日お話した通りです。
「習っていません」と言う前に 「いままで学習してきたことをどう活かせるのか?」と考えること大事です。

では、できる子はどのように考えているのでしょうか。
もちろん、初めて見る問題なのでとまどいはあるでしょう。

ポイントは次の2つです。
①問題1と似ている部分がある、と気づくこと。
②「AをBでわると商が3であまりが2になる」をどうするか。


☆できる子の考え方☆
①うーん、【問題2】は初めて見るパターンの問題だな(とまどい)
②でも、何となく【問題1】と似ているな
③「AをBでわると商が3であまりが2になる」をどう言い換えるかがカギになりそうだ

これで当面の方針が決まりました。

④「AをBでわると商が3であまりが2になる」を式で表してみよう
⑤「A÷B=3・・・2」になるなあ・・・
⑥ということは「A=B×3+2」と書き換えることができるから
 
ここで「あっ、分かった!!!」と気づきます。

⑦「A=B×3+2」というのは「AはBの3倍よりも2大きい」ということじゃないか!!!
⑧なんだ、結局分配算で解けるぞ!やったー!!!


【問題1】と【問題2】は違うように見えますが、実は同じ問題だったのです。
算数はこの「あっ、分かった!!!」と気づく瞬間が楽しいのです。
これこそが算数の醍醐味であり、この経験ができる子は、ますます算数が好きになります。
安易に「習っていません」と言ってしまう子は、算数を好きになる機会を逃していることになるのです。

そして、やや厳しい言い方になってしまいますが「習っていません」に屈して、すぐにやり方を教えてしまう教師は、子どもが算数を好きになる機会を奪っていることになるのです。


さいとう
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