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『これを言ってはいけない「NGワード」特集』⑤

こんにちは。算数教師のさいとうです。
今日のNGワードはこちらです。

NGワードその4
「Aくん(さん)は□□なのに、B(あなた)は△△だね」(Bさんへのダメ出し)


【なぜダメなのか】

こういう言い方はたいてい聞き手のダメ出しするときに使います。

例:「Aくん(さん)は、毎回算数のテストで90点以上とるんだって。それにくらべてあなたはいつも50点なんだから」

優秀なAさんを例に出し、ダメなBさんに対して「あなたも見習ったらどうだ!」と言いたいわけです。

では、はたして冒頭のように言われたBさんが「そうだね!じゃあ、僕(私)もAくん(さん)を見習ってがんばるよ!」と言うでしょうか。
間違いなく言いません!(相手が怖ければしぶしぶ「はい」というかもしれませんが、心の底では思っていません)

「でも、Aくんは自分と違って頭がいいから」とか、
「でも、漢字テストでは自分の方が勝っているよ」とか、
「でもCくんはいつも30点くらいだよ」

という類いの返答をする子が多いではないでしょうか。

でも、子どもの言い分ももっともです。
「でも、Aくんは自分と違って頭がいいから」→「よりによって一番優秀な人と比べないでほしい!」
「でも、漢字テストでは自分の方が勝っているよ」→「自分にも得意分野がある!」
「でもCくんはいつも30点くらいだよ」→「自分だけがダメなんじゃない!」
というメッセージが込められるているのです。

でも、他人と比べる人に限って、子どもが言い訳すると「自分より下の人と比べるんじゃありません!」と言い出すから困ります…。

人とくらべるのは、基本的にはいいことはありません。
友達と比べてもいけませんし、兄弟姉妹と比べてもいけません。

自分よりできない人と比べられると…安心(油断)して努力しなくなる→結局ダメになる
自分よりできる人と比べられると …自信をなくしてしまう→結局ダメになる

当たり前ですが、AさんにはAさんのいいところがあり、BさんにはBさんのいいところがあるのです。
まずは、そこを認めてあげましょう。


【言い換え】:他人ではなく、自分と比べる

先ほどの言い方が問題なのは、他人と比べているからです。
比べたいなら、過去の自分と比べましょう。
つまり「ライバルは自分」です。


例えば、子どもと毎朝20分の計算練習を約束したとしましょう。
先週は順調にこなしていましたが、今週は休みがちになってしまいました。

このときに「○○くんは毎日30分やっているのに、なぜあなたはできないんだ」と言うのはいけません。
他人と比べているからです。

そうではなく「先週は毎朝できていたのに、今週はどうしたのかな?」と聞けばいいのです。
これは「過去の自分」と比べています。
先週はきちんとできていたわけですから、無理な要求をしている訳ではありません。
そこで「朝起きるのがつらい」とか、理由が挙がってくれば、「就寝時間を早めるなどの対策をとればいいのです。


【補足】(人と比べることが100%いけないわけではない)

①人と比べられることで「あ、まずい」と奮起する生徒もいます。

「人と比べてはいけない」と言いましたが、他人との比較が有効に働く生徒もいます。
しかし、あくまで少数派なので、原則は「比べない方針」の方がよいでしょう。


②子ども同士でライバル意識を持つのは大歓迎

私は、ライバルを持つことを否定しているわけではありません
同じくらいの実力を持つライバルがいるのは、子どもの成長にとってプラスに働くことが多いです。
子ども同士が、お互いがライバル意識を持ち、実力を高め合っているのであれば、それはとてもよいことだと思います。
いけないのは、子どもが全然意識していないのに、周りが勝手に比べてしまうことです。


さいとう

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