忍者ブログ

≪ 前の記事次の記事 ≫

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

▲TOP

何度も教えているのに・・・と思ったら⑤

こんにちは。算数教師のさいとうです。

昨日まで「あえて教えない」という方法をご紹介してきました。
効果のある方法であることは間違いないのですが、使い方を誤ると生徒に非常にダメージを与えてしまう可能性があります。

最後に「使い方の注意点」についてまとめておきます。
その前に、Kさんと私の会話(9月18日のブログ)より、ポイントとなる部分を抜粋します。
以下はすべてそのときの私のセリフです。
 
①「Kさんはこの問題をできるようになりたいと思う?」
②「解くために必要な知識は全部教えてある」
③「Kさんなら必ず解ける」
④「解けるまで次には進まないし、解けるまでは終わらないから

これを踏まえて、注意点について、書き記していきます。


【使い方の注意点】

①教師と生徒の信頼関係はあるか?
 生徒に解けるようになりたいという意志はあるのか?


「あえて教えない」は、教え始めてから日が浅い生徒に使う方法ではありません。
この方法に限らずですが、指導というものは、教師と生徒の間に信頼関係がなければ、決してうまくいきません。
生徒に信頼されているという自信がない人は使わないでください!

それから、生徒自身のやる気も重要です。
私はまず「Kさんはこの問題をできるようになりたいと思う?」と質問をしています。
これに対して「いいえ」と答える人はまずいないと思います(笑)
この質問に「はい」と答えてもらうことで、自分の力で解かせるための「精神的な準備」をしてもらいます。
 


伸び悩んでいるときに使う

この方法は、生徒が伸び悩んでいるときに使うのがよいでしょう。
伸び悩みの原因が「自分で考えずに、すぐに人に頼ってしまう」ことにある場合は、なおいっそう効果的です。
ただし、③⑦にも示した通り、使う相手とその頻度には十分お気を付けください。


算数に対して極度に苦手意識がある生徒には使わない

算数が本当に苦手な人には絶対に使わないでください。
まずは解説を丁寧におこない「分かる」を積み重ねてください。
分かるの積み重ねが自信を生みます。


④それまで、何度か教えていることが前提


今回のKさんの場合、同じ問題の解説を4回しています。
つまり、それまでの私は、優しく丁寧に教えていたわけです。
渋々ながらもKさんが自分でやってみようと思ってくれたのも、その4回の解説があったからです。
「先生は手を尽くした上で、生徒である自分のためにあえて厳しいことを言っているんだ」と感じてくれたのだと思います。

それなくして、いきなり「自分の力で解け!」と言っても、「教師の手抜き」と勘違いされてしまう可能性があります。
「解くために必要な知識は全部教えてある」と言ったのは、そういう誤解を防ぐ意味もあります。
 
 
⑤「自力で解ける」可能性が高いときに使う。
   そして、それを生徒にも伝える。

この方法は使う場面にも注意が必要です。
せっかく自力で頑張らせるのですから「解けた!」という喜びを感じさせてあげたいですよね!

私の場合は、確信がありました。
そして、確信があることをKさんにも伝えました。
「解くために必要な知識は全部教えてある」
「Kさんなら必ず解ける」

では「解けなかったらどうするの?」という疑問が浮かぶと思います。
結論から言うと、実は解けなくても大丈夫です。

結果としては解けなかったのかもしれませんが、いいところまでいっているはずです。
そして、はじめから教えてもらうよりも必ず多くのことを学んでいます。
途中までとはいえ、自分でできたことをほめてあげましょう。
チャレンジしたこと自体をきちんと認めてあげれば、必ず次につながります。

ちなみに、一生懸命やったのに解けなかった場合、生徒は悔しいので、解説も真剣に聞きます。
その結果、解き方を完璧にマスターすることが多いのです。
  
  
⑥時間がかかっても、手助けしない。生徒を信じ抜く。

「あえて教えない」宣言をしたら、何があっても途中で手助けしてはいけません。
終わりの時間になったからといって、安易に終了してはいけません。

途中で手助けしてしまうと、生徒は次のようなことを学びます。
「厳しいことを言っても、結局最後には助けてくれるんだ」
これでは、今後の指導に悪影響が及びます。

途中で終えてしまうと、生徒は次のようなことを学びます。
「とにかく、何時何分までがんばればいいや。考える振りでもして、終了時間がくるのを待とう」
これでは、今後の指導に悪影響が及びます。
私の場合は、指導時間内にKさんが問題を解き終えましたが、仮に終わっていなければ、終わるまでやるつもりでした。
(ただし、その場合は保護者の方にきちんと了承を得た上でやります)

つまり「中途半端になるくらいなら、最初からやらない方がマシ」だということです。
やるなら、心を鬼にして徹底的にやります。
そのためには「生徒を信じる心」と「できるという確信」が絶対に必要です。
生徒を信じ、解けるのを待ちましょう。

解けるまで次には進まないし、解けるまでは終わらないから
この一言は、生徒にとっても教師にとっても「退路を断つ一言」であると同時に、「覚悟を決める一言」になるのです。
 
 
⑦「ここぞ!」という、とっておきの場面で使うこと

これがいちばん大事です!
毎回(いつもいつも)このやり方をしていると、その子にとって算数の授業が「つまらない時間」「嫌な時間」になってしまいます。
そうなってしまうと、逆効果どころの騒ぎではありません。 
「つまらない」「嫌い」になってしまっては、もう取り返しがつかなくなってしまうからです。
それが分かっているので、私もめったに使いません。
どんなに多くても2ヶ月に1回の頻度です。

また、くり返しになりますが、算数に対して極度に苦手意識がある生徒には使わないようお願いいたします。



以上、長くなりましたが「何度も教えているのに・・・と思ったら」を終わります。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!


さいとう


さいとう算数教室のホームページはこちら↓からどうぞ。
http://www.saito-sansukyoushitsu.com/
2015年夏に開校した中学受験・算数専門・個別指導の学習塾です。

東急池上線 長原駅から徒歩30秒のところに教室があります。
東急池上線(蒲田~旗の台~五反田)や東急大井町線(大井町~大岡山~自由が丘~二子玉川)沿線にお住まいの方でも無理なく通塾が可能です。

現在、9月・10月無料体験授業の申し込みを受付中です。
PR

▲TOP

« 2025年01月 »
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31

Recent Comment

    Recent Trackback